東日本大震災以来日本の産業界、特に自動車業界は、部品調達ができないことから生産工場が満足に稼働できない状況が続いています。この結果、部品を海外から調達するとか、部品組立を海外で行うなどの動きが急速に進みつつあります。一方、アメリカ等では韓国車が日本車より安価であることから次第に販売台数を増やしつつあります。
最近の精密板鍛造技術を見ると、順送冷間鍛造技術、FB（精密せん断）技術、鍛造技術などがありますが、その狙いは部品の一体化による高機能化、高精度化であります。特に、各種ギア部品や環境関連部品（HV化、電動化）等では、組立工数削減と部品の高付加価値化を加速する動きが急速に高まってきています。
本テクニカルセミナーでは、今後の日本国内の自動車部品メーカが海外企業に負けない部品造りが密かに進行していることに注目し、最近の精密板鍛造技術を取り上げ先端部品メーカの方々にそれぞれの技術開発の考え方を事例を交え講演して頂くほか、優良自動車部品製造メーカ一の一つである（株）サイベックコーポレーションの自動車部品等の生産現場の見学も行うことにしています。

自動車業界の世界的な競争の中、その部品には、低コスト、軽量化、高機能などの厳しい要求が課せられている。それらの課題解決の方策として塑性加工分野でも、板金プレス成型と鍛造とが融合した板鍛造といわれる加工技術が見られるようになってきた。その板鍛造の現状を材料、加工設備、工法、金型の面と部品機能面から見た説明と、その加工事例の紹介をする。

近年日本を台頭する新興国の技術成長が大変目覚ましい中で、国内においては高付加価値プレス加工の一つとして板鍛造が注目されている。当社ではCFP工法（Cold Forging Progressiveの略）と呼ばれる独自の超精密板鍛造プロセスを構築することで従来プレスでは不可能とされてきた部品をプレス加工で可能にしてきた。本講演ではこの独自技術であるCFP工法の魅力と可能性をご紹介する。

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